Fujin & Raijin. Vision 2030.
次世代技術ロードマップ「風神雷神 --- ビジョン2030」

UDトラックスは、スマートロジスティクス実現へ向け、次世代技術ロードマップ「Fujin & Raijin(風神雷神)―― ビジョン2030」を発表しました。ロードマップは深刻化する社会や物流業界の課題解決に貢献するため、次世代技術の要である自動化と電動化分野に主眼を置き、大型トラックの特定用途での自動運転や電動駆動における様々なソリューションを提供する2030年までの取り組みを示します。

電子商取引の増大による小口配送の需要は2030年までに14年比で50%増えると予想されています。一方で、排出ガス問題やドライバー不足が深刻化しています。こうした課題を解決しお客様が求めるトラックを提供するためには、自動運転と電動化の技術革新がカギになるとUDトラックスは考えています。

UDトラックスはドライバーの運転環境の向上に寄与する商品や環境負荷を低減する商品を提供すると共に、デジタルを駆使して、車両の稼働を支援しています。UDトラックスが社会から必要とされる存在であり続けることが重要です。こうした認識をもとに、私たちは、UDトラックスのパーパス(存在意義)を「Better Life」という言葉で表現しました。 「Better Life」は、私たちの事業活動すべての指針であると共に、すべてのステークホルダーに貢献していくという約束です。
 

Better Lifeについてはこちらへ

次世代技術ロードマップにおける自動化の取り組みは、モノを動かす力を象徴する風の神「風神」、また電動化の取り組みは電気エネルギーの力を象徴する雷の神「雷神」から着想を得ています。自動化と電動化を軸に、コネクティビティ(つながるトラック)とデジタル化の進化を通して、輸送をよりスマートにするための取り組みを示していきます。

自動運転

神戸製鋼加古川製鉄所においてUDトラックス開発のレベル4自動運転技術搭載の大型トラック「クオン」を用いた自動搬送の実証実験を実施しました。

少子高齢化を背景に労働力不足が深刻な社会問題となる中で、製造業においても製造現場におけるプロセスの効率化や人材不足といった課題を解決していくことは持続可能な事業運営に不可欠となっています。特に、大型荷物の搬送作業が自動運転技術により自動化され、さらに工場インフラに統合することで生産効率が飛躍的に向上します。そのような背景の中、今回、物流を含むプロセス制御自動化・効率化によるものづくり力向上を推進する神戸製鋼と、自動運転技術を通して持続可能な物流を実現したいUDトラックスが早期の社会実装を目指し、実証実験を行いました。

今回の実証実験で得た知見を活用し、自動運転技術を通した製造現場のDXを推進し、生産の効率化や人手不足などの課題解決を目指します。

プレスリリースはこちらへ

 

2019年8月にUDトラックス、日本通運株式会社、ホクレン農業協同組合連合会はレベル4技術を用いた大型トラックによる自動運転の実証実験を公開しました。

本実証実験は、ホクレン中斜里製糖工場において、砂糖の原料となるてん菜の運搬業務を想定した走行を、5段階の自動運転レベルにおけるレベル4(特定条件下における完全自動運転)技術の自動運転トラックで再現することで、物流の現場で深刻化するドライバー不足の解消に向けたソリューションの一例を提示することを目的として実施しました。

プレスリリースはこちらへ

高速道路隊列走行実験

自動運転は生産性、安全性、燃料・燃費効率において物流企業と社会に直接的な貢献でき、物流業界に大きな変化をもたらします。UDトラックスは現在、経済産業省および国土交通省が実施している高速道路でのトラック隊列走行プロジェクトに参画しており、車間通信や車線維持支援システムなどの必要な技術において、安全性や精度をさらに高める開発を実施しています。

エレクトロモビリティ実験車両「雷神」

大型トラック「クオン」をベースに開発されたハイブリッド実験車両。当社はエレクトロモビリティの分野で、様々なソリューションを開発しています。特に食品倉庫などでの使用を想定し、必要に応じ電動走行モードで走行する機能を搭載したハイブリッドトラックに注力しています。

UDトラックスは2030年までのフル電動トラック量産化に向けて、エネルギー効率や積載量、航続距離、静粛性を最大限に確保したゼロエミッションの大型トラックの技術開発に取り組んでいます。

世界でつながるトラック

自動運転に加えもう1つの柱である電動化を推進するのは、デジタル化をベースとしたコネクティビティ技術です。UDトラックスは2006年から開始した同技術により、国内および一部海外で走行する約5万台のUD車両がつながっており、2025年までには15万台にまで増やすことを目指しています。お客様の運行状況から収集したデータを解析することで、お客様の車両の稼働率向上、運行管理、品質や技術革新に役立てていきます。

UDトラックスはボルボ・グループ全体で80万台にもおよぶつながる車両を通じて得られたデータを活用し、自動運転技術やコネクティビティ技術の向上を通じて、物流の効率化に貢献していきます。

「未来」のスマートロジスティクスの実現に向けて

「Quon Concept 202X」では、スマートロジスティクスを次のレベルに高めたモビリティソリューションを体現しました。スマートロジスティクスとは、効率的で生産性の高い、安心かつ人にやさしい、持続的な物流を意味しており、IoT、AI、ICT技術の進歩によって実現する「スマート社会」に不可欠な社会インフラです。

未来の大型トラックは、人々の暮らしの中で中心的な役割を担い、人と人、人とインフラ、地方と都会をつなぎます。